借地上の建物で雨漏りがする

Q:借地上の建物が築年数もかなり経過したこともあって、雨漏りが最近ひどくなっています。そこで修繕を検討しているのですが、借地契約を見てみると、建物を無断で増改築することを禁じた特約があります。地主に承諾を得る必要はあるでしょうか?

A:禁止特約があれば増改築は自由にできない
今回のように借地契約の中で、増改築禁止特約が明記されている場合、建物の増改築するにあたって地主の承諾を得る必要はあります。
ただし借地権に関して誤解している人も多いのですが、このような禁止特約が明記されていない場合、借地権者が建物を増改築することは自由です。
中には増改築の禁止特約が契約書の中に盛り込まれていない場合でも地主が承諾料を要求してくるとか、「無断で増改築した」と契約解除を求めてくる場合もあるようです。
これは明確にルール違反ですから、契約書を盾に借地権者は拒否することが可能です。

増改築と修繕の問題
今回のように増改築禁止特約があれば、増改築をする場合には地主の承諾は絶対です。
ただし雨漏りのような修繕であれば、まず増改築には該当しないと考えられます。雨漏りの場合、目的物の使用収益を妨げる障害になりえますので、これを修繕してその要因を除去し、従前の状態に戻す行為になります。
建物の維持・保存を目的とした通常範囲の修繕に該当するでしょうから、増改築特約があったとしても、承諾を得る必要はまずないでしょう。

ただし「修繕」と言っても、種類はまちまちです。
雨漏りのような軽微な修繕もあれば、壁や柱などの建物の構造物に手を加えるような大掛かりな修繕もあるでしょう。一般的に建物の耐用年数を変えてしまうような広範囲にわたる修繕をする場合には、増改築に該当すると考えられます。
このような大がかりなリフォームをする場合には、いかに修繕といえども禁止特約があれば、あらかじめ地主に話を通しておいた方が良いでしょう。修繕か増改築か微妙な場合には、地主に相談するのが無難です。