借地契約の期間が切れている

Q:両親が借地上の建物で暮らしているのですが、借地契約はすでに満了になっています。地主は特に何も言ってきていないのですが、もし更新をしないまま放置して、契約切れを理由に地主が土地の返還を求めた場合、どうなるのでしょうか?

A:住み続けることは可能
質問者の借地権の内容を詳しくヒアリングしたところ、借地上の建物は木造で前回の契約更新は平成2年、契約期間は20年でした。
この場合、旧借地法に基づいた借地権の運用になります。旧借地法では、借地契約期間が満了になっても、借地権者は引き続きその土地を使用しても良いことになっています。
そして地主が異議を契約満了に対して遅滞なく述べなかった場合には、実際の手続きをしていなかったとしても従前の契約と同じ条件で契約更新なされたものと解釈できます。これは借地法の第6条に規定されていることです。
ちなみに事務手続きを経ずに契約更新することを、法定更新といいます。もし両親に特別の事情でもない限り、引き続き現在の住居で生活することは問題ありません。

地主が更新を拒否してきた場合
質問者が心配するように、「借地権の契約が切れているから土地を返してほしい」と言ってくることもあるかもしれません。
しかし先ほども紹介したように、遅滞なく異議を述べることが大前提です。法定更新が行われた後では、土地の返還を求められても拒否できますし、法的にもそれは保護されるはずです。
契約が切れる直前に返還してほしいと言われた場合でも、返還するに足る正当な事由が必要になります。
たとえば地主が自分でその土地を使用することが必要になったなどの理由です。また土地の明け渡しを借地権者に要求するにあたって、その代償として借地権者に対し、財産上の給付をする旨の申し出をすることも必要な条件としています。
このように土地の明け渡しについて、ハードルの高い条件が課せられています。ただし契約の更新をせずにうやむやにしていると、後々トラブルが大きくなる恐れもあるので、更新に関して地主と交渉しておいた方が良いでしょう。