Q:借地で暮らしているのですが現在地主から「底地を買い取ってほしい」とお願いされています。この場合借地権者はその要求を拒否できるのでしょうか？もし拒否した場合、立ち退きを要求される心配はありませんか？

A:買取要求に応じる必要はなし地主に「借地を買取してほしい」と言われた場合でも、借地権者はその要求を拒絶することは可能です。
地主の中には「どうしても買取をしてほしい、もしできないのであれば土地を返してほしい」とかなり強硬な要求をしてくる場合もあるようです。
しかしこのような要求をされても、それに応じる必要は一切ありません。もし地主が借地権者に土地の立ち退きを要求する場合には、正当事由と言って、本当に買い取ってもらうに足る妥当な要求なのかどうかが必要になります。ですから地主が何を言ってきても、借地権を行使してそのまま土地活用しても問題はないです。

立ち退きの正当事由って？
立ち退きの正当事由がなければ、買取や立ち退きなどの地主の要求に応じる必要は一切ないです。
ところでこの「立ち退きの正当事由」とは具体的にどのようなことがあるでしょうか？言い換えると「契約の不履行があった場合」となります。
具体的には、地代の不払いが何度も発生しているとか、地主の承諾を得ることなく借地権の譲渡や売却を行った場合があります。また借地上の建物の増改築を行う場合には、地主の承諾が必要です。この承諾を経ずに増改築を勝手に行った場合も契約違反に該当します。
このような不履行を行った場合、借地権を明け渡しに応じなければならないでしょう。

地主からの買取要求があった場合、十分に話し合う必要があります。突っぱねることも可能ではありますが、その後の地主との関係がぎくしゃくしてしまいます。
その結果、ちょっとしたことで何度もぶつかってしまう恐れが高まります。なぜ買い取らないといけないのか、地主側の事情もしっかり聞いて、自分の意見も相手に伝えることで地主に納得してもらえるかもしれません。