借地権と低地の同時売却とは？

借地権とは、土地の上に建物を建てて所有する権利であり、その借地権を持っている土地の所有権を底地権といいます。借地権は土地を借りている、すなわち建物を所有している人が持っている権利であり、底地権とは、地主が持っている権利のことです。

借地権を手放すとき

借地権と底地権を同時に手放すと、それが土地と建物の所有権となり別々に売るよりも高く売れることが多いです。

底地権は、毎月安定して地代が入ってくるというメリットはありますが、すでに上に建物が建っておりその所有権は借地権の所有者が持っていますので建物も建てられませんし、活用の幅も極めて狭くなります。
そのため、地主にとっては底地権を売ったとしても活用性の低い底地権を買う人はほとんどいませんので、底地権だけを売りに出しても、思ったような金額がつかないことが多いです。
そこで地主としては、借りている人が借地権を手放すタイミングで、同時売却を考えることもあります。

借り主にとっても借地権で借地期間が残り少ない物件はなかなか売却することができません。
その点、借地権と底地権を所有権にして同時に売り出すことは契約の残り期間を気にせずに売却するので、購入する人が現れやすいというメリットがあります。

借地権と底地権の同時売却で注意すべきこと

借地権及び底地権の同時売却の時に問題となるのは、借主と地主の間で売却金額が、どのくらいの取り分になるのかということです。
地主にとってみれば自分が所有する土地なのですから高く売りたいと思いますし、借地人にとっては、借地権割合が60パーセントから70パーセントであることから、自分が多くとりたいと思う人が多くなります。
しかしながら借地権割合は相続税などの計算方法に使うものであり、必ずしもその価値で売却するものではありません。ここは、借地権割合での計算はせずに、取り分を半分ずつもらうなどとしたほうが揉め事を起こさずに済みます。

同時売却を成功させるために

いずれにせよ、借地権と底地権の同時売却を成功させるには、借主と地主がコミュニケーションを取り一致団結するほうが結果的に二つの権利を高く売ることができます。
一括売却するには、地主と借主だけで話し合うよりも、双方が不動産業者など、借地権および底地権の売却に詳しい人にお願いして売却するほうがスムーズにいきます。
ほかにも、借地権と底地権を合わせて売却するだけでなく、地主と借地人がそれぞれ所有する土地を二つに分けるという方法もあります。不動産のプロに相談するのがよいでしょう。

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